Balay ni Mayang


なんとなくgimingaw na ko nimo( 英語のI miss you に近い)
というセブアノ語(フィリピン中部のことば)で検索したら見つけた。

Cebuanoは、私にとっては日本語以外で唯一"語感"レベルで感じられることば(語彙力としては英語のほうがたぶんあるけど)この可愛らしいラブソング、翻訳しないで!というビサヤの人たちからのメッセージがネット上あちこちにみられるくらいにネイティブなビサヤ人のこころにしみるうたらしい。

私はネイティブじゃないので翻訳しないでとまでは言わない。可愛らしいラブソングだってだけでも充分だけれど、探したらセブアノ文字の字幕つきというのがあったのでこれを採用。スペイン人が来る前から"フィリピン"諸島の人たちは文字を使っていた。PC用のフォントをつくってる人もいるのだ。
タガログ語だと逐語訳できるのでタガログ字幕つきの画像もあるけれど、ここは英語つき、youtubeのメッセージ欄で英語訳案がほかにも出ているので参考になる。でも、英語にするとまったく語感は伝わらないし、もちろん日本語でも無理。
意味の問題ではない、とにかく「うた」として素敵だし、セブアノの響きならではのラブソングとして、いままでに無い新鮮な表現だ。

この曲は1st Visayan songwriting campaign http://www.artistko.com/vispop/ の予選通過6曲のひとつ。優勝は逃したものの、ネット上では一番人気になっている。
フィリピンのポップスはかつてはスペイン歌謡風70~80年台まではアメリカンポップスのカバーという時代を経て、90年台からはOPM (Original Pilipino Music)と呼ばれるタガログ語のポップスが主流になってきた。
しかしcebuanoをはじめとする地方言語のポップスは60年代あたりのムード歌謡的なものいつまでも残り、あまり新しいヒット曲に恵まれていない。Matud nilaは名曲だけれどさすがにpopと呼ぶには古い。そうした状況のなかで生まれたVisPop?キャンペーンはは地域言語の再興を意図した文化運動だ。

大抵の場合、こうした文化運動はあまりおもしろくない。ang tingog sa bag-ong sigbuanon "新しいセブアノの音" というキャッチコピーの割には、banner songs にも、エントリー作品にも新味が無いのが残念なところ。

ただこの可愛らしいラブソングbalay ni Mayang "マヤンの家"はちょっと違う。作者のMarianne Dungog & Kyle Wong にはぜひ次回作を期待したい。

Marianne Dungog の soundcloud に初期バージョンとプロのシンガーソングライターMartina San Diegoによる本選バージョンが聴ける。

https://soundcloud.com/marianne-dungog

私のようなネイティブでない人間の外からの視線でも、これは新しいvisayan folk songと
呼べるくらいに、セブアノという言語の唄として、言葉の美しさがあふれている。だから「翻訳しない」でという気持ちがわかる。そのままで世界中で通用できるラブソングになっているのだ。

この可愛らしいラヴソングに出会ったのは2013年の9月だった

思い出しても、もうだいじょぶだ。

Yahoo!ブックマークに登録 Google ブックマーク
clip!