都知事選挙と昭和インテリの終焉あれだけ大勢の昭和の有名知識人が応援したにもかかわらず、舛添氏が余裕で当選し、細川氏は宇都氏に大差で負けるという結果。
そもそも降って湧いた猪瀬知事の失脚からの選挙。
戦後のマスメディアを通じて活躍してきた社会派有名人と、戦後市民運動をリードしてきた有力活動家が結集して、アベノファシズムによる開戦の危機を煽ってみたものの一般には浸透せず。投票率上昇にはほとんど効果が無かった。
リベラルインテリたちは争点を脱原発から反戦へとシフトさせようと、反ファシズム統一戦線というアナクロ的な結集を呼びかけて、こともあろうに小泉劇場に乗っかった元総理大臣のお殿様の文人的統治を幻想してしまった。
私自身あの人たちを「有識者」とか「知識人」と評価してはいない。今後は一切政治に口を出せないくらい痛いダメージを受けてしまった。あとは文化人としておとなしく老後をおくるしかあるまい。
昭和のインテリ主導の市民運動はこうして終わり、完全に世代交代が進むことになるだろう。
田母神氏支持が案外多いという結果が出ているが、右翼は選挙を棄権しないだろうから、これで東京の右翼の総数が判明した。
若い世代には家入氏支持者は結構いるはずだが、残念ながら投票所まで行く気力が無かったに違いない。ネット投票ができるようになればもっと票が伸びただろう。
やはり宇都宮氏は善戦した。勝つ見込みは無かったが、リベラル勢力の分断状況のなかで、脱原発ワン・イシューや、開戦の危機扇動にも振り回されることなく、まっとうな生活者の視点からの政策が、あたらしい支持を広げた。
だから良いというのではない。選挙は勝たなければならない。リベラル勢力の健闘をいくらたたえても世の中は変わらない。
長期的な視点から考えれば、リベラルは決して衰退してはいない。右翼よりははるかに広く浸透している。だから、地道な日常的政治運動を続け、より多くの市民の支持を得られるような候補者を生み出すことができれば、いずれは成果を出せるだろう。
それにしても、東京の没落が止まらない。
もう何十年もまともな知事候補を出すことができない巨大都市東京。
東京の暮らしている人は、ほとんど都知事に期待などしていない。
舛添氏に投票した人も、彼の政策に期待などしてはいない。とりあえず知ってる名前を書いたというだけのことだ。
世界はこれほど変わり始めているのに、東京はもうついてこれない。
オリンピックがあっても東京は衰退していく。
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