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#freeze *アントニーン・レイハ ''2020年はレイハ生誕250年を迎えました。''#Reicha250 **特設サイトReicha250 https://peraichi.com/landing_pages/view/reicha250 https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/cc/Anton_Reicha_01.jpg/216px-Anton_Reicha_01.jpg Anton (Antonín, Antoine) Reicha (Rejcha) (26 February 1770 – 28 May 1836) アントニーン・レイハ(アントン・ライヒャ アントワーヌ・ライシャ)はハプスブルグ家支配下のボヘミア(チェコ)のプラハに生まれた作曲家。ナポレオン戦争によりヨーロッパ中が振り回された激動の時代。ボン、ハンブルグ、ウイーン、パリなどで活動し最後はフランスに帰化した。 いろんな国で活動したため名前の表記が定まらない。このページでも、記事の流れであえて統一しない。 ベートーヴェンと同年生まれで、15歳のときボンで出会いその後ウィーンでも交流した親しい友人であった。 音楽史的には、演奏家、作曲家というよりは、理論家、教育者としての成果が知られている。 パリ音楽院の作曲法教授として、リスト、ベルリオーズ、グノー、フランクなどを教え、作曲の理論書は19世紀中欧州で使われた。 -wikipediaによる紹介記事 --https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%8F --https://en.wikipedia.org/wiki/Anton_Reicha --https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_compositions_by_Anton_Reicha -ピティナ・ピアノ曲事典 レイハ --https://enc.piano.or.jp/persons/386 --丸山瑶子氏による、いまのところ最もまとまった日本語の評伝。 **Rediscovered 没後ながく忘れられていたレイハの音楽、ごく最近になってレイハを再発見し再評価するような取り組みが始まった。 ***イヴァン・イリッチ[[Ivan Ilić]] 私がレイハに出会ったきっかけ。現在の再発見の中心にいるピアニスト、セルビア系アメリカ人でパリ在住。 5枚のアルバムによるライシャ再発見シリーズ(2018年第2集まで発売済) -イリッチの解説による「ライシャ再発見」シリーズ動画が4編が公開されている。 --https://youtu.be/f0hN3aZXd68?fbclid=IwAR2_X15O4Y9U163jMMHnmurBuKZefmgybX22AerNeVzpjMOIguwlOAl95GU -イリッチ自身による紹介記事 --https://www.limelightmagazine.com.au/features/ivan-ilic-on-the-piano-music-of-antoine-reicha/ -NYTimesの記事 --https://www.nytimes.com/2018/09/07/arts/music/anton-reicha-ivan-ilic-beethoven.html **木管アンサンブルの大家 レイハの作品でもっとも演奏される機会が多いのは木管五重奏を中心として木管アンサンブルの作品だろう。 ピアノや弦楽四重奏が作曲的チャレンジに溢れた作品だとしたら、木管楽器を活かした作品は、新たな作曲技法への挑戦というよりも、高度な作曲技法を駆使しつつ、それぞれの楽器の性能を活かした実際の演奏効果を意識してい思われる作品群だ。 彼自身が若いころフルートを演奏していたので、木管楽器の演奏技法を熟知していた。楽器に精通していた作曲家が少なかったなかで、レイハは弦楽器のアンサンブルと同レベルの音楽を木管楽器のために提供しようという意図が感じられる。 ウィーン時代から取り組んでいたがパリ音楽院の作曲法教授としての地位を確立したパリ時代の作品が多い。この時代はキーシステムの普及など管楽器の構造が大きく変化し、演奏技法も急速に発達した。こうした新しい時代のサウンドに対応した音楽だったと言える。 20世紀になって盛んになった木管アンサンブルというジャンルの、古典時代における作品として演奏家や愛好家にとって貴重な曲だが、それぞれの作品の音楽的な完成度の高さは特定のジャンルに留めておくべきものではない。 -全24曲の木管5重奏曲(1810-1820)は、このジャンルを確立したと言える作品。パリ音楽院の5人の名手による連続演奏会のために作曲され、6曲づつのセットとして4回に渡って出版され楽譜はヨーロッパ各地に広まった。 -緻密な構成でありながら、楽器の個性と名人芸を余す所無く表現した、親しみやすい曲調のまさに演奏会向けの作品。ハイドンを「弦楽四重奏の父」と呼ぶならライヒャは「木管5重奏の父」と呼べるという評価もある。演奏時間が30分を超える大曲ばかりなので、一般的なクラシック音楽の演奏会で取り上げるのはプログラム構成的にも難しく、管楽器愛好家のための音楽ということになりがちだ。現代楽器による演奏でもよほどの名人揃いでないと安心して音楽として楽しめる演奏にはならない難曲でもある。 --国際ダブルリード協会による現代楽器用校訂譜と演奏向けの詳細な解説 --https://www.idrs.org/scores/Lehrer2/Reicha/ **音源集 ***ピアノ曲 -カプリチオ --https://youtu.be/WTE60JLeyPo?fbclid=IwAR1miNQHMedsBCtZJloFBm_G8Jiv8lP87qEN6DYt8FyelhYYRqMLzmUrAHs -36のフーガ --Tiny Wirtzによる全曲 --https://youtu.be/eZk6QQasAq8?si=v6qR5v8I7TKmz1VU --wikipediaによる解説 --https://en.wikipedia.org/wiki/36_Fugues_(Reicha) --32番 --https://youtu.be/wT7zTCa_RX0?fbclid=IwAR3IKonDJvT-DnJpRHDb5CwBJP2WKzRsHO-E3H8Ygnw2KN_rj783L3Sw4S0 -フーガの手法による34の練習曲 op97 --バッハのクラヴィーア曲集に倣ってプレリュードとフーガのセットで構成された曲集。練習曲と名付けられているが作曲技法の紹介的な作品。バッハと20世紀印象派の橋渡しのような斬新な響きに溢れている。 --no.1a ---https://youtu.be/QSHm3ZphFlk --no.1b ---https://open.spotify.com/track/3t4oha62FSOjQNwOiDaqlt -変奏の技法、または創作主題による57の変奏曲 -L'art de varier ou 57 variations sur une theme originale Op.57 --ウィーン時代の1802ころから作曲され1804年に出版された。ライヒャ自身の主題による57の変奏曲。 魅力的でかつそれ自体が対位法的構造を内包しているような精緻に計算された主題はほぼ全体を通じて維持されながら、音の響きのカタチによる変奏とでも言えるようなスタイルで変奏される。「変奏曲史」の観点で言うなら、バッハの「ゴールドベルク」とベートヴェンの「ディアベリ」の間に位置づることができるものだろう。 第2変奏から第3変奏への思い切った飛躍は、段階的変奏という伝統的手法をいきなり打ち破る、途中短調で奏でられる変奏は極めてロマンチックだが、自在に展開される和声はときに20世紀的でさえある。最終第57変奏は凝縮されたフーガ(これだけ抜き出し展開した大フーガを聴いてみたい)、続いて最後に配されたプレストではテーマに戻るのではなく、何か新い世界へ誘うような不思議なテンションで終わる。 ---https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nMhc_fy1Fzq7zy-jK_BaP3U2oqkD5J8K8 --イヴァン・イリッチ [[Ivan Ilić]] -レイハピアノ曲全集 --Toccata Clasiccs、Henrik Löwenmark(pf) --ヘンリック・レーヴェンマーク --レーヴェンマークはスウェーデン在住のレイハ研究者で録音はレイハ関連のものしか無い。全曲録音という長大なプロジェクトは、あきらかに音楽史的な意味を意識している。 --Études ou exercices, Op. 30, ---Livre 1: No. 1, Les douze gammes majeures ---https://youtu.be/vZ4EtcqROdQ ---Livre 2: No. 10, Adagio molto ---https://youtu.be/gs0mVP-lsp8 --エチュードと名付けられているが、ピアノ演奏の練習曲というよりは、ピアノのための作曲の練習と言えるような作品集。2部構成で1部では音型、2部では楽想、について、それぞれ部品のような小品。古典派ロマン派という時代を超えた構造的な音の連なり。 ***ピアノと弦楽合奏 -Sonata for Piano, Violin and Violoncello in C Major, Op. 47 1805 --Smetana trio --https://youtu.be/pYU0Q8hnBOo --Elizaveta Ukrainskaya – piano, Anna Fenster – violin, Evgeny Kogan – violoncello. --https://youtu.be/pKAREOqfny4?si=32mqwJNXAi9VJ3Ei [CR] -ピアノ5重奏 ハ短調 Quintet for Pianoforte and Strings in C minor --Jaroslav Tůma(フォルテピアノ) Kocian Quartett --https://www.youtube.com/watch?v=_6rq_x2VVOo --1826年パリ時代の円熟期の作品。ライシャはこの年を最後に新曲を発表していないので最晩年の作とも言える。同時代のピアノ五重奏として際立つ名曲と思うのだが、録音はこれしかない。ピリオド楽器による軽妙さと陰影の対比する素晴らしい演奏。使っているピアノは作曲時期よりも少し古いスタイルの楽器のように聴こえる。パリではエラールが現代に直結するピアノを売り出していた時代だ。この曲の場合にはモダン楽器での尖った演奏も聴いてみたい。おそらく楽譜も出版されていないので、研究者でなければ演奏は困難なのかもしれない。 ***弦楽四重奏 --Peter-sheppard-Skaerved率いるクロイツァーカルテットによる弦楽四重奏曲全集。まずウィーンで出版された6曲からリリース。 --Kreutzer Quartet --https://toccataclassics.com/product/reicha-string-quartets-1/ --https://toccataclassics.com/product/reicha-string-quartets-2/ -KUBIN QUARTET --String Quartet G Major, Op.48, Nr.2 --https://youtu.be/CdB8dYxotsQ -Reicha Quartet --Quatuor Scientifique --https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_m9UWtEYW3RM6WtK9YMS1AFTmYl0E3m0Nc ---1806年ウィーン時代の作品、手稿譜のみが伝わる。 ---弦楽四重奏のためのファンタジア la pantomime は序曲のようなスタイルで書かれた小品。 ---科学的四重奏曲 Quatuor Scientifique は12楽章というきわめて特異な構成で、フーガの技法を極めたような作品。Scientifique(科学的)とはフーガの事を示している。音楽理論の作曲実践。 ***弦楽器のアンサンブル -Trio for 3 Violoncellos in E flat major --https://youtu.be/Yk54auTwRtQ
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