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#freeze [[FB2016/12/24>https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10211717607525526&set=a.4837458504173.2189188.1528065968&type=3]] 主伐にはまだ早い。 「マツクイムシ」による被害が進んでいなければ、あと少なくとも20年は育てるべきアカマツです。 松枯れはどうしたら止められるのか? 枯れ木はただちに伐り出して利用する、ということがあたりまえだった時代には、松枯れが急速に広まることは無かったようです。 松枯れの主要因がマツノザイセンチュウであることは確実ですが、センチュウの拡散よりも人間の利用の方が勝っていた時代には、松枯れは広がらなかったのだと思います。 初期段階ではマツノザイセンチュウに対する抵抗力をもたせるための、木炭の散布などによる土壌改良などの方法も試行されていますが、一部に成果の報告があるものの一般的には実証できていないようです。(数ヘクタール規模で炭を散布するというような実証実験が行わたという話は聴いたことがありません。) ここ数年で松本以北まで枯れが進み、もはや伐倒燻蒸では止められないことが確実になってきました。では有効な対策はあるのか。 枯れる前に活かす。私が長野県の林業政策に対して発言する機会をえられるようになった頃、真っ先に出した提言の一つは、松枯れ対策としての樹種転換でした。 本来の林業経営的には主伐にはまだ早い森林で、皆伐を行うということは、収益的には満足の行く結果にはなりにくいものです。 全部枯れてしまえば収益ゼロなので、それより少しはお金になるとは言え、現実には木材売上だけでは伐出経費がまかなえるかどうかというレベルで、とても再造林~初期保育までの資金は残りません。 安曇野市や松本市の激害地では、ほぼ全てのアカマツが枯れてしまった後に、木材の売上に期待できない状態のなか、更新伐の補助金を使い伐出されています。 更新伐は基本が天然更新であり、植栽の義務はありませんが、もし更新が成立しなければ、植栽を含むなんらかの方法で更新をはからなければなりません。 いまの現場で導入している補助事業は、特殊地拵えというメニューで、伐出~地拵えまでの経費に補助が出るために、補助残を木材売上でまかない、さらに植林~初期保育までの資金を積み立てて、なお森林所有者にも利益が還元できるという有利な事業です。 いくら病害対策とは言え、全部木を伐るのに収益が無いというのでは森林所有者としては納得できるものではありません。 そうなると、伐出の事業を請け負う事業体にとっての仕事確保で終わってしまいます。「そんな事なら枯れるまで放置してくれ」ということになりがちです。 山仕事創造舎では松枯れ対策樹種転換のための皆伐生産を意識して、先行投資としてハーベスターと大型フォワーダーを導入しました。この現場は作業道など準備作業以外はほぼ2名で2500m3の伐出作業を行います。ハーベスターで伐れないほどの太い木もありますが、チェーンソーでは伐倒のみ枝払いと造材は全て機械で行います。 アカマツは半分以上が燃料やパルプにしかならないCD材です。いかに機械経費がかかるとは言っても、このレベルの生産規模だと機械化のメリットが全面的に発揮され、森林所有者への還元が確実に実現可能になりました。もちろん事業体としても応分の利益を上げさせていただいています。 結局補助金依存ではないかと思われる人も多いでしょう。 確かに現状の山仕事創造舎はまだそんなレベルなのです。 最初に書いたように、あと20年育てれば、もう少し売上も増やせます、つまり主伐にはまだ早いのです。 補助金ゼロ林業を実現するために、生産コスト下げると言って生産性向上だけでは困難です。 製材用の良質材の販売収益をあげる事ができれば、売上だけで利益を確保しながら再造林までできるという事になるはずですが、現状では売上のかなりの部分が輸送費で消えてしまいます。 ここで生産される木材のうち地元(仮に流域圏とします)で消費されるのは5%程度にとどまる見込みです。 地域の木材加工業の力がまだまだ弱いのです。でも、山から材が出てこなければ木材加工業も成り立ちません。 いまは、そのための基盤づくりの段階だと思っています。
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Last-modified: 2016-12-24(土) 18:10:20