その星では、目標とか将来という概念が無い。

誰もが今・ここだけを生きている。
すべてを受け入れ全てを解決しながら、自分が何者であるかを少しずつ探求することで生活をしている。

悩みも、不安も、恐れも、いらだちも、もちろんある。

愛も嫉妬も絶望も孤独も、地球となんらかわることなく蔓延している。

ただ、違うのは、人々が、目標とか、課題とか、歴史や、実績などという事にほとんど関心が無いということだ。

科学法則についての知識もあるし、社会的規範ももちろん存在している。

成功や失敗も数限りなくある。成功を自慢したり、失敗で落ち込むこともある。

しかし、より大切なのは、静かに落ち着いて、分かり合える仲間とともに
知や美について考え語り合うことだと考えられている。

語り合うことを通じて、お互いの存在を認め、高めていくことが、
人々が社会に生きて行くことの意味だと信じられている。

生まれた者の生きる時間が限られていることも、地球と同じだ。

若者はやがて老いるし、どんなに健康な者でも怪我をしたり病におかされ、やがて生命体の終着点として必ず死が訪れる。

誰も死を乗り越えることはできないし、乗り越えたいとも思わない。

死を恐れない者はいないが、受け入れない者もいない。

今・ここに生きる者にとって、愛とは永遠でかつ瞬間だ。

ここでも、人は生きている限り恋をする。恋はいつか敗れ絶望が訪れる。

だが次の瞬間には、恋は新たな息吹によってより深くよりみずみずしい愛として蘇り、まったく思いもよらない希望と喜びをもたらすので、誰も絶望のまま死を迎えることはない。

幸福と不幸に断絶は無く、所有と喪失も一つながりなので、思いっきり悩み通しても、息絶えるまえに、疲労によって休息が与えられ、生命力は蘇る。

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