かつてアジア井戸ばた会の代表として、フィリピンの農村NGOとやりとりをしていたときには、先方の代表者の肩書きcoordinatorだったので、英語に自身の無かった私もcoordinatorと称していた。
Wikipedia(英語)による企業社会での定義に近い考え方だ。
なぜ代表者representativeと称さなかったのか、おそらくトップダウン型の組織ではない、ということを表したいという意識があったのではないかと想像している。
アジア井戸ばた会も、そのような組織の在り方を意識していたけれど、理事会的なものはなくて、いきなり総会だったので、実質的には小規模サークル的に、運営していた。そこで、いつの頃からか、cordinatorとrepresentativeを併記するようになっていた。
メレディス・ベルビンのBELBIN TEAM ROLES におけるcoordinator
現代日本でコーディネーターと言えばウィキペディア日本版に見られるように、各種資格名称をともなった、アドバイザー、プランナー、デザイナー、コンサルタントなどの要素をあわせ持つような仕事をする人のこと、どちらかと言えば調整役ではあるが、組織のとりまとめ役というよりは、営業~デザイン系のイメージだ。
(仮)林産コーディネーターhttps://www.facebook.com/yunikayama/posts/10202773538369387
(仮)林産コーディネーターという役回りを試しにやっている。
結論から言えば、この仕事はビジネスにならない。
信州各地のカラマツ、小規模素材生産者が手を組んで、新しい製品造りに山から直接参画しようという企画がる。
地元唯一のメーカーと言っても良い林友ハウス工業のカラマツT&Tパネルという製品に向けて、誰が何処で伐ったのかあきらかなストーリーを描くために、素材生産業者の連携で丸太を提供しようという企画で、そのための林産側のとりまとめ役をやっているのだ。
課題はこの(仮)林産コーディネーターをお金の取れる仕事にするために、どうしたら良いのかということ。
コーディネート費用を誰が負担するのか、製品価格に転嫁できればいちばん良いがそう簡単ではない。
すべて最終製品の価格に転嫁するのではなく、例えば流域の各所の流れを良くすることで、費用を捻出できる可能性もある。この木材が間伐(択伐)で森林の価値を高める施業のなかで生産されているならば、林木の質的量的な価値の上昇分として次の収穫が増える山元でも負担できる。
山元側(林産側)だけのコーディネートで事業化するのは、特に小規模の場合は困難だ。じっさいこの仕事は3年で2000m3程度の丸太を扱う程度なので、木材流通的には極小規模だ。しかし、我々のような零細素材生産業者にとっては、主に合板で流れていくカラマツのごく一部でも付加価値を高めることができればという夢がある。林産コーディネーターを買ってでたのはそうしたキコリの夢を実現したいという発想があるからに他ならない。
素材丸太の価格は12000円/m3~よほど高くても2万超は困難だろう。コーディネーター費用を仮に価格の5%だとしても3年で12万円。とても仕事にならない。先日2箇所の現場をまわっただけでも走行距離は200km超え。現場だけでない打ち合わせなども考慮すれば、交通費でほぼ消えてしまう。
コーディネーターの業務範囲を山~メーカーまでに限定していては、とても仕事にはならないのだ。製品の価格は9700円/m2 これに設計施工費用まで含めるとそこそこの事業規模になる。末端顧客まで含めて面倒を見る、総合営業系コーディネーターならば、事業として成り立つ可能性は出てくる。
小規模流通でも、総合的木材コーディネーターならばビジネスとしての可能性ある。
やるなら「全部」にかかわらなければならないのだ。
木材コーディネーターこれは私が語るべきことではない
http://www.soundwoods.net/woodcoordinator/index.html
能口秀一氏の活動に注目したい
森林コーディネーター地域の森林と林業・木材業にかかわるあらゆる関係者(森林所有者、素材生産業者、~ 一般市民)を結び、森林の価値の最大化のための調整を行う。
中部ヨーロッパ(ドイツ語圏)でのフォレスターの役割のひとつ
ただし日本のフォレスターにこの役割が担えるか疑問
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