2015-1-8[木]

「山の記憶 土の芽覚め 種をつなぐ」

http://www.city.tamba.hyogo.jp/uploaded/attachment/12595.pdf

豪雨災害からの創造的復興を目指す兵庫県丹波市の復興ビジョンのキーワード

丹波をはじめて訪れてからもうすぐ1年になる
目的は木材コーディネーターという活動を牽引し全国に広めようとしている、有限会社ウッズの能口秀一さんを訪ね、木材コーディネートの概要を学ぶという、自ら企画した研修のためだった。

最後に案内された山は地域の人々との協働による復興を目指すという共有林。
木材コーディネートはともかく、地域の森林づくりについては私も一応専門家のつもりなので、何か言葉にしなければならないと思いつつ。
信州とはあまりにも地質的~文化的まで条件が違いすぎて簡単に評価ができない。
ただ、見た目の状況からだけでも、相当に手入れが行き届いていない事はあきらかで、いまより悪くなることは無い、何をやっても大丈夫、という言葉しか出てこなかった。

その丹波が豪雨災害に襲われたのが8月16日。死者1名ということで同時起きた広島での災害と比較して軽微と思われたのか、全国的にはあまり報道されることが無かった。

山腹崩壊の規模からすれば、広島の比では無い大災害、1月に歩いた山も文字通り崩壊し森林整備どころの話では無い状態になった事を能口さんから送られた映像で知った。

早い段階から全国からのボランティアを受け入れ、人海戦術での泥のかき出しからはじまる復興活動が始まったことを知り、2トン車で応援に駆けつけようと本気で計画をした。しかし、本業を三つも抱える日々で身動きがとれず、ただ無責任な言葉を残してきた事だけが気がかりになって、年を越してしまった。

はじめて訪れた異郷にもかかわらず丹波には不思議な地域力があると感じた。
関西方面を主とする人の交流の連携による多様な地域活動、自治会とNPOの併設など信州ではあまり考えられない。

災害復興を舳にした地域づくりをいち早く示したビジョンには、言葉による表現力を感じる。

特に「山の記憶」という言葉は、常に地質と人々のかかわりの歴史から山を見る事を心がけている私にとって、まさしく言いたい事を表す一言であって、西に500kmも離れたところで言葉化してもらった事に感謝したいくらいだ。もちろん私から何かを伝えたわけではなく、丹波の人々の中から出てきた言葉なのだが。

というわけで、丹波から目が離せない。

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