「風土舎」設立宣言
             玉井架裟男

   風土という言葉があります
   動くものと動かないもの
   風と土
   人にも風の性と土の性がある
   風は遠くから理想を含んでやってくるもの
   土はそこにあって生命を生み出し育むもの
   君、風性の人ならば、土を求めて吹く風になれ
   君、土性の人ならば風を呼びこむ土になれ
   土は風の軽さを嗤い、風は土の重さを蔑む
   愚かなことだ
   愛し合う男と女のように、風は軽く涼やかに
   土は重く暖かく
   和して文化を生むものを
   魂を耕せばカルチャー、土を耕せばアグリカルチャー
    理想を求める風性の人、現実に根をはる土性の人、集まって文化を生もうとする
   ここに「風土舎」の創立を宣言する


君は風の人だが土になることを目指すのだね、と玉井先生に言われたのは25年前のこと。

私はいま、結局どっちかわからない正体不明の存在になっている。

正体不明、得体の知れない、化け物です。

本音も建て前もない。

裏も表もない。

右でも左でもない

男でも女でもない。

あえて言えば、両方、全部、どっちつかず。

そういうモノになりたいわけじゃなかったけれど

結局、私はそういうモノです。

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