対象とする森林が、同一樹種の同一樹齢の一斉林である場合には、面積当たりの立木本数を立木密度と呼び、比較的簡単な原理によって、最適な密度を保つように管理する、密度管理という手法が可能となる。

通常は、地域ごと樹種ごとにモデル化された均質な森林で設定された密度管理図を使った施業体系がつくられている。

しかし現実の森林は、仮に同一樹種同一樹齢で構成されていたとしても、まずなによりも地形、地質、土壌環境、のような土地の性質において、またクローンで無い限り、個々の樹木の遺伝的な性質において、完全に均質では無いので、完全に単純な密度管理を適応することはできない。

また極小面積の林分では多くの樹木はいわゆる林縁木になってしまうので、単純な密度管理を設定することは難しい。*1

密度管理を志向してきた多くの森林が適正な間伐がなされていない放置林状態にあり、そのよな森林を適切な密度状態に導くことは容易ではない。

もちろん、本来の森林は多様な樹種、多様な樹齢の樹木が混在しているので、本数密度による管理を試みようとしても、あまりにも複雑な数式を設定しなければならなくなり、現実的とは言えない。


*1 最低でも樹高の2倍程度林縁から離れなければ、平均的な林地とは言い難い

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