杉2本、2トン車2台

今日もまた支障木の伐採である。

私は雑用係兼特殊伐採担当という役回りになっているので、なかなか普通の間伐のレポートが書けない。まぁきこりの仕事は木を伐ることなんだから、これでいいのだけど。

波田町で杉2本、新築した住宅の西南側に高さ19mほどの杉が並んでいた。もともとこのあたりは杉林だったらしいが、宅地化するために伐採され、境界線上にわずかに木が残っていた。この状況では、冬には3時前に日が陰ってしまうし、春にはマトモに花粉のシャワーを浴びることになる。

樹齢40年、胸高直径50cm、地上4mまでは枝打ちしてあるが、その先は枝がびっしり。独立樹なのでたっぷりの日光をあびで枝を思いっきりのばし、毎年1センチ以上も太ってきた木だ。ちょうど段丘上で谷の出口にあたる場所で、土壌はかなり湿っぽい様子。こういう場所の杉は、ブクブク太って材質は悪いことが多い。太い木だがあまり期待はしない。

住宅横の狭い場所なので、登っていって頭を4mほど落としてから倒すことに。枝があまりに太くて数が多いので、枝打ちをしながらでないと登ることができない。太い枝は4~5センチほどもあるが、こういう枝落としにはチェーンソーは使わない。今日は「切れ味世界一」という商品名の、新潟は三条の竹内鋸製作所の鋸をつかった、杉の枝落としには最適。軽い力でも楽に切れるカミソリのような鋸だ。ただ刃がとても脆いので欠けないように注意が必要。

頂上部分を2mずつ2回にわけて切る。折からの強い西風。風向きはよかったのだが、さすがに強すぎ。地上17mで風に揺れる木にしがみついてしばしやり過ごす。その光景がよほど珍しかったようで、隣の家のおじさんが写真を撮っている。

頭を4m切ったので、あとはそのまま倒すことに。ただし、重心が低くなってしまったので、簡単には倒れない。大きなクサビを3本使ってやっと倒れた。

案の定、芯腐れである。地上から30cmくらいまで中心に穴が空いている。こういう湿気地の杉にときどき見られるものだ。樹形はきれいだったが、残念ながら長生きはできない木だったようだ。

今回はたった2本だったので、2トンのクレーン付き(いわゆるユニック)トラックで運び出すことに。元から3玉、計6本の丸太を積んだが、2t車としてはほぼ満載状態に。

問題は枝。これが大量に出たのだが、片づけなければならない。こちらは2tダンプにコンパネでアオリを立てたものが超満載。伐採よりもこの枝の積み込みのほうが重労働だった。

年輪の粗い低質材なので市場で売ってもおそらく全部で1万円程度にしかならない。ちょうどトラックの借り賃くらいか。今回はトラックの持ち主が借り賃の代わりに引き取ってくれることになった。簡易製材機ホリゾンで製材して使うということだ。

生活のじゃまになるからという事で伐採される支障木だが、ただ安く売ってしまうより使われ方が目に見えるほうがうれしい。

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