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安曇野市明科と生坂村の境にある、岩州公園へ。

松枯れがすぐ近くまで迫っています。この場所は標高840mほど、松枯れの限界線上です。

なんとかこの景観を守りたいと、地元では薬剤空中散布による防除を要望する声が多くあります。
一方で薬剤の環境への影響(有機リン系やネオニコチノイドが使われます)を心配して、反対する周辺住民の声もあります。

この里山を守り次の世代へ引き継いで行きたい、という思いは共通なので、できれば空中散布反対/賛成で住民間の対立を起こしたくない。
どちらかと言えば、先住民が空散推進で新住民が反対という傾向はあるのですが、実際はそれほど単純ではありません。

松枯れ問題を山の外から議論するのではなく、とにかく現地を見て、そこで語り合おう、そんな想いをいだく地元住民と市民グループが企画した山あるきでした。

私は林業の専門家ということで招かれ、いろいろと意見交換をしました。

長野県、安曇野市としては基本的には空中散布を推奨していますが、他の選択肢への配慮もしており、今日も市役所から2名が参加。
今年度予算はあるので空散実行は可能です。
山を降りてからの意見交換でも、空散に反対するという意見が(意見を言う人の)主流でした。地元としては松を守りたいというのが最大の関心です。
いまの段階で推進か反対か単純に議論するのではなく、6月までにじっくり話合いを重ねていこうというということになりました。。

松枯れの進行は公式にはマツノザイセンチュウとそれを媒介するマツノマダラカミキリが原因とされています。異論をとなえる研究者もいますが学会では認知されていません。しかし空中散布で松枯れを止めることに成功した事例は無いとも言われています。

科学的証明にはデータも時間も不足しています、数十年闘った結果として農薬汚染が広がったうえに松も全滅という事もありえます。(これ何かに似ていますね)

いずれにしても、これから空中散布反対運動が強力にはじまります。推進運動はたぶん起こりませんが、地元住民の多くが「消毒」に期待を寄せているので、散布が実行される可能性は高いでしょう。
農薬はただちに健康(生態系)に影響はないかもしれません。(これも聴いたようなはなしです)

こういうことは、科学的ではなく政治的に(政治家的にではなく、民主的=市民参加によって)解決しなければならない課題だと思います。

私は、根本的課題は、人が山(森林)から離れてしまった事だと考えています。

松が残っても人がいない、そんな山里にはしたくありません。

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