のろし
太古からある情報伝達の方法。
狼煙で伝えられる信号は、何かが「ある」ということだけ。
「ない」は伝えられない。
あらかじめ約束をしておいて、狼煙あがったら敵が攻めてきたなど、意味を決めておく。
でも、狼煙が上がらなければ、敵が攻めてきていない、という意味ではない。
信号の持っている情報は「真」だけ、真でないことは含まれない
1だけで0は無い
だから0と1のデジタルとは違う。
情報が無いことと、そのことが無いことは違う、というのは常識的にはわかることだろう。
でも、デジタルの世界は、あるか、ないかだ。
1でなければ、0ということにして、1でないときの取り決めを実行する。
1でないだけで、0かどうかわからないのに。
狼煙があがらなければ、何もしないという選択を可能にしている。
狼煙があがらなくても、敵は迫っているかもしれないのに。
いま、私が伝えたいことは、敵が迫っているかどうかではない。
複雑怪奇に多種多様で、だから言葉を使って伝えることが多い。
でも、本当に伝えたいことは、たったひとつかもしれない。
それを伝えるのが難しいと思っているうちに、余計なことをいろいろ話して
伝えたいことの何億分の一も伝わらないうちに、時間切れになってしまう。
そんなふうに、一生を終えてしまいそうだ。
だから、複雑な内容を含めない、ただひとつだけの、伝えたいことがあるというだけの、伝え方が必要だ。
それが何なのか、あらかじめ決めておく必要はない。
なぜなら、それは誰でもあたりまえにわかっていることだから。
当たり前すぎて、いろんな情報や知識に覆いかぶされて見えなくなっている。
でも、人が人に伝えたいことは、これしかないんだ。
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