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アメリカ生まれのチェリスト。

個性的で情熱的な演奏スタイルと、独特の美音で、70年代には若手女流チェリストとしてジャクリーヌ・デュプレと人気を分かち、次代を担う名手として、期待されていた。しかし、1980年代に入り日本でLPが発売されなくなりすっかり姿を消したと思われていた。

1970年代後半、我が家に一応オーディオと呼べるような(当時はコンポと呼ばれていた、オールインワンでない、という程度のものだが)音響装置が入り、父がLPレコードのコレクションを急速に増やしていった。FM放送を録音(エアチェック)したカセットテープも大量にあった。
父のコレクションはクラシック音楽史的に言えば、バロックとフランス近代、楽器としてはチェロ、声楽にほとんど興味が無いというかなり偏ったものだった。そこに私と弟の趣味で、ジャズやクラシック・ギターのものが加わっていた。

大正生まれの父の時代、チェロと言えば、神様カザルス、そして往年の名手フォイアマン。LP全盛時代ではあったが少しずつSP時代の名盤がLPとして復刻されるようになった頃でもあった。そんな中で父が特に気に入って繰り返し聴いていたのが、ワレフスカだった。若い美人ということも有ったと思う、あきらかにファン心理が働いているように思えた。
ワレフスカの演奏は、深いヴィブラートに彩られた独特の美音と躍動するフレージング、標準とか正統と言うよりは個性的なスタイルで、当時バロックのオリジナル演奏に心酔していた私にとってはあまり好みでは無かった。しかし、良く聴かされていたため耳慣れてしまった事は確かだった。

1985年に父が死去、私は音楽よりも井戸掘りにはまり、94年には実家を離れてオーディオ装置とも疎遠に。最近はもっぱらネット経由で音楽を聴き、ちょっと変わったCDを買ったりするものの、家にはLPプレーヤーも無いのでアナログ盤を聴くことなど全く無い。
今年の4月、実家の移転とリフォームでは、そのアナログオーディオの復活を一つのテーマにしたので、約30年振りにもれていた父のLPコレクションを再び取り出し聴くようになった。
そこで、再会したのが、ワレフスカだったのだ。

長い前置きになってしまった。本題はまた続けて書く。

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