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人に自慢できるような成功譚とか、 [CR] 語りぐさにできるような武勇伝なんてものには [CR] まったく無縁なのです。 [CR] それなりに、人並み以上に、いろいろ挑戦して、やってきたことはあります。 [CR] でも、特別にこれは成功したというようなことは何も無い。 [CR] モノゴトの道理をわきまえて、論理的に類推した程度のことばかりで、 [CR] 真に、自らの身体性に基づいた、体験ということが、薄いので、 [CR] 呼吸以上に、これを見て欲しいという、実感ある何かなんてあるのか。 [CR] ただ、ほぼ唯一の成功体験を語れるとしたら、 [CR] 中学時代にハンドボール部で、万年ベンチ要員だった私が、 [CR] 川崎市大会のたぶん決勝に近い試合で、最後に監督から呼び出された、そのたった一度のチャンスで得点できたこと。 [CR] 自分が2年半の間に、なんとか身につけた、ポストからの倒れこみシュートを決めたこと。おそらくそれ以上に、確実に達成できた成果はなかったし、言ってみれば唯一の成功体験なのです。 だいたい、その時点でチームの優勢は決まっていたし、監督は温情でチャンスを与えてくれただけだということはわかっていました。 だから、そんなことは特別に誇りに思うことでも、自慢することでもなく、ただ当たり前にできたという、ただそれだけの事でしか無いのですが、それでもほぼ唯一の身体性を確実に持った、成功体験なのです。 [CR] そのことも、はるか昔のことととして、記憶の片隅においやって、それからの年月は、ただロールプレイの中で、論理的な整合性とか、一般的な妥当性とか、そんなバランスのなかで、確かに世間一般からはずれているけれども、ユニークな実績を残してきたわけではない。 [CR] [CR] すべてが、プロセスの一部であり、システムの部分であって、いつまでたっても、直接の身体に結びついた体験ではない。
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