事故

おととい、小谷村で伐採中に木の下敷きになって作業中の人が亡くなるという最悪の事故があった。同じ北安曇郡内の同業者だが、顔をみたことがあるという程度の関係で、直接つきあいがあったわけでは無いが、きこりの大先輩の事故死は本当に残念でならない。

長野県では去年にも、蜂にさされによる死亡事故があり、全国的にもこの1年、いわゆる重大事故(つまり死亡事故ということ)が、異常なほどに増えている。今年に入ってから、県の林務部からも緊急事態として特に安全面での注意の呼びかけがあったばかりだった。

実は去年の暮れに私の仕事仲間でも指を骨折するという事故があった。それも、ちょっと間違えば大怪我では済まされないタイプの事故だった。

統計を持ち出すまでもなく、林業、特に伐採の仕事は危険な仕事なのだ。誰でもケガをした経験くらいはある。そんな軽い事故が重なって、いつか命を落とすことになりかねない、というのでは困る。

事故は皆無にはできないとしても、仕事で死ぬことだけは絶対にさけなくてはならない。

対策はあるのだ。おとといの事故にしても、作業手順の誤り、あるいは安全違反が原因らしい。なぜ、危険を承知で(ベテランの人が)間違った作業をしてしまうのだろうか。

私だって、危険度の高い作業をすることはある。だがギリギリの(死なないための)安全確保は常に考えている。

要は危険度の見極めが重要なのだ。失敗したら死ぬような事はしてはならない。さらに危険を承知でも手元に道具が無いために、仕方なく危険作業をしてしまうというようなことだけは絶対にさけなくてはならない。

  • 明日から徹底すること。直径25センチ以上の木を伐採する場合は、必ず牽引具(うちでは軽量で能力の高い、maasdam rope-pullerを全員が持っている)を所持すること。
    小型軽量の滑車についても研究する。
  • 2004-03-18

林業をする役場職員

林業関係の公務員の人たちはまじめで個性的な人が多い。私がつきあうのは、ほとんど県の林業専門職、とくに林業改良指導員の人たちなのだが、普通の公務員とはちょっと違ってデスクに張り付いて書類と格闘するよりも、山を歩くのが好きというタイプが多い。そうは言っても実際の現場仕事が専門ではないので、いわば現場の企画調整役、一般市民と林業をつなぐ役、そして市町村のめんどうを見るというのも仕事になっているようだ。

本来、地域の森林は市町村が整備計画の中心になることになっているのだが、現実には市町村には林業の専門家はほとんどいないし、だいたい3年くらいで異動になるので、知識も技術も蓄積されることがない、結局は県の専門家に頼らなければ何もできないという事が多いのだ。

そんな中で、いま仕事をしている東筑摩郡明科町は町に専門家レベルの林務職員がいるという貴重な例だろう。

たまたま間伐材を利用したいという住民からの要望があり、私たちが県の発注で間伐をしているところのアカマツを使えないかということになった。

ふつうなら業者である我々に、ついでだから伐った木を道端まで出しておいてくれと話がきて事は終わりになるところだ。だが、生真面目な町役場の係長さんである。伐採は県の発注の仕事の部分なので当然我々がやることなのだが、搬出までは頼めないと考えた。もちろん他の業者をたのむ予算もない。そこで、自らトラックに林内作業車を積んでやってきて、慣れない手つきで太いアカマツの丸太をウインチで引きだし、運搬車に積んで運びだしはじめたのだ。

この林内作業車、うちで持っているのと同じ機械。こんなものを役場で持っているということでも画期的なのだが、ちゃんと林務の担当者が使えるということがまた素晴らしい。こうして新たな予算をまったく使わずに、住民の要望に応えて、町有林の材木が有効利用できるのだ。

別の町では補助金の申請のために、県に提出する何倍もの書類が必要だった。公務員の一部の人たちは、書類をつくることこそが仕事だと勘違いしているらしい。だがどんなにきれいに文書をつくれても、森も街もいっこうに良くはならない。ある人たちは決して重いものを自ら動かそうとはしないようだ。2004-03-12

ミーティング

会議というと退屈なイメージがあるが、ミーティングというと気楽な集まりのように聞こえる。今日は、年度末の諸々のことや新年度へむけた計画、さらに中期的な計画、もちろん今週の打ち合わせまで含め、いろんなことをきこり集団5人と相談役でもある監査役、そして4月からメンバーに加わる新人さんもまじえ、一日かけて話あいの日だった。

毎回この手の会議は時間が足りなくなるほどに、話題が多く、また脱線も多い。

実に皆前向きである。これは岡山効果も大きいのだが、加えて30代がいなくなってしまった仲間に30代が加わったことの気分的効果もある。

山仕事創造舎という零細「きこり」集団。
もはや林業では食べていけないと言われる時代などおかまいなし、とても前向きな話に終始した一日だった。

仕事が無いなら自分たちで仕事を創ればいい。創業の原点を再確認し、これからさらに新たな段階に踏み出す。みんながプロデューサーであり演者でもあるこの舞台は、ようやくプロローグから幕間なしに第一幕へ踏み込んだところだ。

2004-03-08

調子に乗ると

昨日は、書類作成と提出を昼前に終えるつもりだったのだが、なれない画像処理ソフトにはまってしまい、やる気をそがれ家で昼を食べてから林務課へ。遅くとも3時には現場に合流したかったのだが、他の雑用もあって現場到着は4時。

実は前日山の中に燃料を置いたままにしておいたのと、仕事終了間際に腰鋸を落としてしまったのが気になっていたので、仮に30分でも現場には行くつもりだったのだ。

運良く鋸はすぐに見つかった。いままでも多くの道具を山で無くしてきたので、今回は本当に幸運だった。

普通道具を無くす最大の理由は、仕事終了間際、急いで帰らなければならないようなときで、捜し物をする時間がなかったというのがほとんどだ。もちろん落とさないように用心するのが基本なんだが、急斜面でちょっと(1mくらい)滑落っぽいことをやってしまうと、腰道具は落ちやすい。

すぐに探せば必ず見つかるのに、翌日になるともうわからないものだ。こうしていまでも山に眠っていると思われる、鉈、鋸、プラグレンチなど、全てあの辺にあるはずという記憶はあるが、いまさら探しに行く時間もない。

今日は買い物をしなければならないので、午後3時に仕事を切り上げる予定だった。

コンディションは良かった。我ながら最低の労力で最大の仕事をしているカナぁと思った矢先。チェーンソーのガイドバーの先端のスプロケットがいかれてしまった。そろそろ寿命に近いことはわかっていたのに、こんなときに限って予備を持ってきていない。

まだ2時。調子にのるとこうだ。まぁケガをしたよりはいいけれど。道具は壊れるもの、予備を用意するのは当然のことなんだが。まだまだ素人である。

2004-03-03

雪の中で

今日は暖かい風なのに雪が降っていて、雪に濡れながらの仕事してました。それが午後になって冷えてきて車にツララが下がっていたので、氷点下になっていたらしい。

こういうのって最悪状態。でもこのお天気のおかげで交通量が少なくて、道端の伐採が思う存分できました。(もちろん今日は独り作業ではありません。)

晴れるとけっこう観光客でにぎわって車も1時間に10台くらい通ってしまうので、道に木が倒れるような仕事はやりにくいのだが、今日一日で通った車は2台だけでした。

林道なんだからこれが当たり前なんですが、この林道、舗装されているうえに、山頂からの見晴らしが素晴らしいのです。で、雪がまだ残ってるのに2WDの乗用車で乗り入れてしまい、立ち往生してる人もいたりします。

林道って本来は林業用道路の意味なんですが、林の中の道って思ってる人多いだろうな。

2004-03-01

裏山の風景

山の麓に抱かれるように家が集まる集落の裏山の整備を請け負うことになった。

村の人たちと県の林業改良指導員さん、町役場の林務担当の人などとともに、境界の確認と測量のために山に入った。私の役割は歩きながら森林の状況を確かめ、何をやるかという方針を出すことなのだが、同時に限られた予算でどんな事が可能なのかという仕事の見積もりをしなければならない。

山の麓で暮らしながら、自分の山に入るのは30年ぶりという人もいた。若い人には境もわからなくなっている。歩きながら昔の記憶がよみがえる。今では木が生えている斜面でも、ここは畑だった、ここには井戸があった、ここは昔は家建っていた・・・そして木を植えた。木がある程度そだったころから、みんな町へ出て働くようになった。そしてすぐ家の裏山に手をかける余裕がなくなってしまった。

定年で退職してから、趣味で山の手入れをしようと思い立ってみたものの、20年以上も放置された山を整備するのはとても素人にできることではない、思った以上に木は大きく育っているのだ。混みすぎて枝張りは弱い木は根も弱い、風や雪に負けて根倒しになっている杉が目立つ。

所有者の負担金はなしでの間伐。いつもの話である。補助金は1ヘクタールに14万円ほど。あくまで補助なので本来は地元負担があるべきなのだが、いま手入れをしても将来金になる保証はまったくないわけだから、現金の支出は誰もしたがらない。

はっきり言って非常に厳しい金額だ、森林組合ではまず無理だろう。それを仕事にするのがいまや山の職人の腕の見せ所。今回は県や町の職員が、地元との交渉や測量、書類作成などをで協力してくれるので助かる。

2004-02-29

目から鱗が落ちる

とは、こういうことか!と言えるほどに画期的な内容の研修になった。

行き先は、岡山県真庭郡美甘村の向井林業という素材生産の会社。3年ほどまえにホームページを見て知り、いつか行ってみたいと思っていたのだが、3年前とは違いさらにパワーアップした生産現場を見ることができた。

間伐であっても木材を出すということは、素材生産業なのだ。私も以前からそう考えてはいたのだが、はっきりそう主張するには、いろんな意味で実力が足りなかった。高性能機械には手が出せいと思っていた。

今回はっきりと目指す方向が見えてきた。実力はつければいいのだ。

とりあえず、明日から営業的場面では、補助金が出るから、間伐やりませんか?ということは言わないことにする。

間伐をして森を育て、もしも出すならば売って金にする。そんなあたりまえのことが、できない時代になったと思いこんでいた。

林業、特に素材生産業として当たり前のことが、あたりまえにできなかったことに、どこか不安や不満があったのだ。

道がないから仕事ができないとのではない。必要ならつくれば良いのだ。

状況が悪い中で何をやるか、ではない。自分たちが状況を創っていくのだ。

生産費を下げ生産量を増やすことで仕事を創る。それは技術力でこそが実現できる。最先端で働く人間の腕次第で物事が決まる。そんなことが不可能ではないという気がしてきた。

もちろん、基礎にある状況が全く違うから、我々が向井方式をそのまま取り入れてもダメである。資本金が無い、地域の林業への関心が低い、売り先もはっきりしない、そして何より良い木がないという状況で、150万円の機械を駆使して、体力勝負で築いてきたことを土台にしてどこまでできるか。

木こりを生業としながらも、最近ちょっと「林業は飽きたな」と思っていたのだが、おもしろなってきた。

2004-02-26

いきなりの雪

前線通過。一転して冬に逆戻り、あっというまに雪景色に。

気候が激しい!。

その気候のせいか、今日は現場で珍しく具合が悪くなってしまい、昼休みのあいだ寝ていても思わしくなかったので、中途リタイヤ。

熱はないが、なんとなくフラフラするのだ。家に帰って寝ていたらなんとか復活。風邪の初期症状?ビタミンCを大量に摂取してます。

なにしろ明日は岡山まで1泊2日の強行スケジュールで研修旅行なので。

春霞の日、作業実験。

暖かい日。安曇平はぼんやりと霞につつまれていた。長峰山の山頂はその上に頭を出しているから、北アルプスの山並みはくっきりと見える。そんな背景にパラグライダーと鳶が空に舞う。この現場にきてはじめて外の景色を眺めながら昼の弁当を食べた。

あまりに暖かいので、上着を脱いで綿の作業服だけで仕事をしていた。作業環境として春先はいちばん仕事がしやすい気温だ(4月上旬なみの気温だった)。こんなときこそ現場作業の効率を試験するのに最適かもしれない。労働者兼経営者である私はそんなことを思いついた。

実は前日、チェーンソーが不調だったので、仕方なく事業地すべての間伐木に印を付けて歩いた。いつもなら、そのときに作業する周辺10本程度ごとに選木しながら伐倒することが多い。こうすることで山の変化する様子をいちいち確かめながら間伐作業を進めることができるメリットがあるからだ。

だが選木と伐倒を交互に繰り返すという方法は実は効率的ではない、選木をすべて終えてから伐倒したほうが効率的だとされている。この現場でははからずも最高効率にトライすることが可能になった。

やってみると確かにはやい。すべての切る木が見通せるので、どこから始めればいいか迷うことが無い、そして一本の木を切り終えたらその瞬間に次の木が目に入る。燃料が切れるまで、間断なしの作業が可能なのだ。持久走と同様に息切れしない程度のリズムをつかみながら、もちろん安全を最優先にしての作業だ。細かい休憩を挟まないので、テンションの持続という面でも悪くない。

本来なら1時間に一回くらい休憩が適切かもしれないのだが、ここは私独りの現場だし、ある意味で実験のつもりもあるので、燃料切れまで休み無しという作業方法をトライしてみたわけだ。ここでは燃料切れまでは平均約90分くらいだった。(労働安全規則によるチェーンソーの一日作業時間制限は2時間までだが、ここではフルスロットルでふかしているときだけを作業時間と解釈してみた。)

最適な気温、充実した気分もあって、実に効率的に作業は進んだ。終わったときの疲労感も以外に少ない。これはイケルかもしれない。そう思って作業を終えた。

問題は夜に発生した。ハイテンションを持続した作業の結果として、身体の疲れはあるのに精神的興奮が抜けず眠れないのだ。伐採というのは肉体労働半分、精神労働半分。実際には、かかり木の処理などの部分を考えるとかなり精神的緊張のある仕事のようだ。

それでも、このノリを今度は持続可能な程度に調整しながら作業を継続しようと思っていたのだが、翌日は隣組の葬儀で休むことに。日曜は家族と過ごす日だから仕事には行けない。来週は研修旅行・・というわけで、実験はひとまず中断。
2004-02-22

風を読む

今日は風が強かった。安曇平からの北西風が斜面を駆け上がる。大町より北は雪なのだがここ明科ではひたすら風が吹くのだ。先週の春一番は埃まみれのなま暖かい風で気持ちが悪かったが、今日はときどき雪が混じる冷風。けっこう気持ちいい。

久々の現場復帰だったので、山仕事では寒いときにも厚着をしてはいけない、ということを忘れていた。標高900mの朝は寒いのでつい厚着になるのだが、上着の下にセーターなどを着込んでいると、急斜面を激しく上り降りする間伐作業では、すぐに汗をかいてしまう。そうなったら最悪。ちょっとでも休憩すると全身が冷え切ってしまうし、水滴で濡れた上着は凍り付く。昨日は最悪の状態で、昼食のあいだに凍えてしまいそうだったが、たまたま車の近くだったからエンジンの熱で暖房してなんとかしのぐことができた。

冬の野外仕事と言っても工事現場の服装ではまったくダメだし、登山の装備でもうまくない。寒風から身体を守るためには、風を通さない服装というのが基本だが、作業は肉体的に均一な負荷ではないし、斜面方向や日照、樹冠の粗密具合によっても、体温は変化しやすい。基本は汗をかかないように、重ね着を刻々調整して体温を維持するのだ。

そんな、冬の山仕事の基本を忘れるほど現場感覚を失いかけていた。

服装の感覚をとりもどすことは、自分の身体と風の関係をとりもどすことでもある。風の吹かない山は無い。今日は風を味方にして気持ちよく伐採も進めることができた。ときどき失敗しかけても、リカバーにそれほど手間をかけなくなった。勘も戻ってきたようだ。同時に怖いという感覚も帰ってきた。悪魔の誘いとしか思えないような危険作業への誘惑、もし失敗したときをイメージできなければ命が無い。昨日のままの私だったら大怪我をしていたに違いない。

2004-02-17

現場あっての

最近しばらく事務方の仕事ばかりしていたが、今日は久しぶりに現場でひたすら伐採(間伐)をしていた。これこそが仕事ってものだ。
アカマツの間伐は間伐のなかでも最も高度なテクニックを必要とするものだと思うのだが、それゆえに私は最近アカマツにハマッテいる。難しいほど楽しい。危険なほどおもしろい。今日の現場は危険というほどのことはないし、樹高が低いのでさほど難しいわけでもない。それでも独り作業なので、気は抜けない。

自分の勤務評定をするのは自分だ。役員なので私だけは定額報酬制にしているのだが、月ごとの「出来高」で日給月給と同じ方法で、プラスマイナスの査定をしている。結果として事務仕事の多い月はマイナスの査定が出てしまうことが多い。

いまだに事務作業や管理業務を「仕事」として評価する基準がよくわからないのだ。で、つい費用対効果的な発想で計算してしまう。そうすると例えば書類提出のための移動時間などは計算しにくくなる。実働1時間、移動3時間なんて日があると本当に困る。残り半日では現場に行きようもなく、かといってこれと言って仕事もない(わけでもないが)。

独りでの事務作業だとつい休憩が長くなったりするし、調べものでwebを検索しているついでにいつのまにかネットサーフィンして遊んでしまったりすることもあるが、いずれも厳しく査定している。

その点、現場仕事なら、例えば身支度の段取り少々悪くても、体調が悪くて休憩時間が長くなった場合でも、ちゃんとカウントして「仕事」と評価している。なぜかチェーンソーワークが下手で、掛かり木を処理するのに手間取って、とっても効率の悪い日であっても、風を利用して楽々と仕事がはかどった日であっても、同じ基準であくまで時間ベースで評価している。

本業のweb(http://www.yamashigoto.com/)の更新がなかなかできないのもそのせいもある。今の時代webサイトは「看板」のようなものだから、維持費は当然の経費として認めているのだが、営業効果がほとんど無いので、業務としてのwebの更新をなかなか評価しにくいのだ。一方でweb以外のシステム管理の仕事などは当然の必要を認めて、ほぼ現場並の評価をしているのだが、webは将来への投資とさえも思えない。やっぱり道楽の延長じゃないか。

企業組合山仕事創造舎に対する期待としては、現場でいい仕事をすることが一番だろうし、私を含めた組合員もそう考えている。

いままでの林業の枠組みでは、事務方や管理職、さらには実績不明の各種団体の職員などが、異様に高く評価され賃金も高いのだ。そしていちばん大変な思いをしている現場の評価が低く、働く者の収入も当然のようきわめて少ない。

それを逆転したいという思いがどこかにあるから、私自身の仕事についても、現場最重視で評価を下しているだけなのだ。

私は徹底して「きこり」でありつづけたい。最近になっていろいろな公的な役がまわってくるのも、あくまで私が現場の人間であって、現場の声を政策により反映しようという流れがあってのことなわけで、現場を離れてしまえば私の存在価値もまた薄れてしまうのだ。

最低でも週に3日は現場に出るようにしたい。

そう思ってこの日誌を再開した。

2004-02-16

corridor

私はイベント的なものにはとても慎重だ。かかわるならかなり徹底しないと気が済まなくなるのだが、たいていの場合、やったという事実以上の成果は期待できないものなのだ。
特に私の本職の領域で、単なる実技講習ではなく、抽象的な大風呂敷を広げたような催しには、普通なら私は参加しないし、まして主催者側として関わる気になれない。

そんな私が、このイベントにかかわる気になったのは、仕掛け人である、熊崎一也氏に興味があるからと言っても良い。彼はまったくの山仕事人であり、同時に良い意味での仕掛け人なのだ。http://kkuma.com/を見ただけでは、そこまではわからないのだが。人と人をつなぐことができる人間には、特別な魅力が備わっているのだと思う。

第3回については、前回ほど私はかかわってはいない。ほとんど素晴らしき山仕事人の集団である、信州そまびとクラブ http://w2.avis.ne.jp/~somabito/ の人たちと熊崎氏の企画だった。私がやったことと言えば、2日目の朝の皿洗いと、最後のセッションでの進行役、そして看板を書いたことくらい。

森林林業関係のイベントとしては、ほかでは考えられないくらいに、面白い企画なのだが、その最大の要因は集まってくる人々にある。誰が参加したのかということは具体的には公開されていなのだが、要するに「やってる人たち」ばかりなのだ。これは少なくとも林業系の集まりとしては希有なことなのだから。

正直、今回私は不完全燃焼だった。その不完全部分が二日目の夜、朝の3時まで、参加者のなかでも特に若いメンバーと語り明かすという暴挙にあらわれてしまった。酒と議論で20代につきあうなんて久々だった。翌日の大役を考えればほどほどにしておいた方が良かったのだが、かえって翌日の曖昧模糊とした企画のイメージを固めることにはなった。

今回頑張ってきたスタッフやお金を払って来ていただいた参加者には申し訳ないのだが、私は最初から第4回のためにという事を口走っていた。みんな不完全燃焼にしてしまう。でもって次こそはもっと面白いことをやりたいと思えば良い。そんなアドリブでいい加減なもくろみが果たして通じたかどうかわからないが、少なくとも第4回に私はもっとコミットしようと思う。

カッコイイ山仕事=林業というのが、私なりのテーマだ。

同志諸君よろしく。

2004-02-13

森林の回廊  

第3回森林の回廊というイベントにこれから出かけます。

今日からはじまってるのですが、家族に夕食を食べさせるという役割があるもので、途中参加です。

実は私も主催者側なんですが、今回はほとんど準備段階では役に立っていません。

ぶっつけ本番みたいで申し訳ないんですが、行って来ます。

2004-02-06 19:16:08

竣工検査

積雪で工期延長にしてしまった現場で、部分的な竣工検査をしてもらった。

いくらかでもお金が手に入らないと、正直かなり厳しい状況なのだ。治山の担当職員と検査官氏とともに、車を降りてから約1kmほど歩いて現場へ。

税金を使った公共事業なのだから、どんなに小さな現場でもきちんと検査をするのはあたりまえのこと。しかし、つい数年前までは、道端のわかりやすいところだけ、型どおりの検査をしておしまいという事が結構あったのだ。

カラマツ林の本数調整伐(いわゆる間伐だ)35度ほどの斜面を巻き尺とポールを持ってはい上がり、斜距離で30m幅4m、ライントランセクト法という長方形のプロットで、残存木と伐根の数を確認する。

4.5haほどの区画で3カ所。ちゃんと設計値+−5%以内に収まっている。

計測しながら伐採したわけではない、現場ではほとんど直感的に選木をしているのだ。さすがに仕事仲間でも一番のベテランが担当した山である。

残念ながら、私はこの山には下見で一回、写真撮影で一回、計2回来ただけだった。

私は「きこり」なんだから、やっぱり木を切るのが仕事。

管理的仕事が否応無しに増えているのは仕方ないのだが・・・

もちろん、私の現場も確保はしてある。

明日も書類作成が残っている。午後からは一人で「私の山」へ行ければいいのだが。

2004-02-04

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