アカマツ

伐採でいちばん難しい樹種はときかれたら、アカマツとこたえることにしている。

特殊な樹木もあるかもしれないので、普段よく伐る樹ではアカマツというべきか。

アカマツというのは、曲がっているし、重心がかなり偏っていることが多いけれど、意外にも重心が低い木が多く、季節によって重さも堅さも極端に変わる。

間伐の場合、どうしたら残す木をいためないで確実に伐倒できるかということが課題だが、アカマツの伐倒コースを読むのは簡単ではない。最後にツルを切り離すテクニックが残存木を痛めないために必要になってくることもある。

支障木の場合には、さらにシビアに伐倒方向が限られるし、牽引したり機械で押したりすることも多くなるのだが、そうなるとさらに挙動が読みにくくなる。
ツルの切り離しは極力避けなければならない。

要は、空間についての把握力なのだ。いま立っている木がどのような重心配分で、どのような空間を占めているのか、それがどのように倒れていくのか。曲がった木なので、地面に着いたあとの挙動についても予測をたてないと危険だ。

そして、造材もまた難しい。
普通の針葉樹は真っ直ぐであることが一番大切だ。だがアカマツは曲がり材でも価値がある。どのような曲がり具合かというのが問題。単に長さだけでなく、カタチを見て造材しなければならない。

アカマツはいろんな意味で課題が多い木だから、またときどき書くことにする。

Yahoo!ブックマークに登録 Google ブックマーク
clip!