どんな森林があったら豊かに暮らせるか
どんな森林を仕事場にすれば楽しく働けるか
なりたい自分と、こんな森があれば良いなという思い
そんな目指す森林の在り方を
ここでは目標林型と言う専門用語で語ってみる。
事前の考察
目標という概念についての私の考え方を解読する必要がある
- とりあえず、私の森林施業観で言えば、目標林型というものは無いと言っておく。
そのうえで、あえて
- 林型 forest type 森林管理において目指す森林の姿。
林相が森林の現在の姿を生態学的に示す言葉として使われるのに対して、林業経営的な視点で取り扱う森林のかたちを示す言葉として林型という言葉が用いられることが多いような気がする。
- 森林とは生物の集合体
- 樹木の生育している場所というだけではない、
- 現実の森林は森林の時間的、空間的な一断面としてしか扱うことができない。
- 森林総体ではなく、ある「森林」について考察する
- 対象とする森林の範囲をどのように考える(定める)か
- 森林本来の生態性質としての遷移と安定状態
- 森林自体は目標というような意識を持っているとは考え難いが、森林は生態的法則に従って存在している。
- 潜在植生
- 人為の加わらない場合にどのような生態的平衡状態(極相)が成立し得るか。
- 生態的な平衡状態は同じ場所であっても必ずしも一つに決まるものではないので、潜在植生というものも、概念的なものでしかない。
- 遷移段階
- 現実の森林の多くは生態的平衡状態には無い。
- 遷移の途中段階にある
- 撹乱と遷移、平衡状態への道程は単純ではない。
- 森林管理的な要求としての目標林型
- 管理目標 持続的生産基盤としての林型
- 資産形成
- 経営論
- 技術論
- 施業論
- 社会・経済的要請としての目標林型
- 生産目標 目標生産物のための林型
- いわゆる公益的機能
- 森林行政
現場技術者のための目標林型の考え方
フォレストリーダー研修 2016/9/29
1,目標 将来(何年後? 伐期?) ゴール? 誰にとっての目標?
2,現場で知る森林自体の条件
○今・ここ を理解し、三歩先を読む 保育 ~ 生産
時間的 選木 > 次の間伐で伐る木 次は主伐? 更新は?
空間的 施業対象 伐る木 残す木 隣の木 森林の何を相手にするか
・変えられない条件
自然条件 地形 土壌 地質 日照(日向山 日陰山)気候
>潜在植生
施業の結果 ~ 新規造林(森林で無いところを森林化し林業をはじめること)はほぼ無い
林種 (天然林 (天然性林) 人工林)
林相 単層林 複層林 多層林
樹種 広葉樹林 針葉樹林 混交林 スギ林 ナラ林・・・
履歴 前世代 保育(手遅れ?) 気象害 病虫害
3,経営目標
事業としての経営計画 ≠ 制度としての「経営計画」
持続可能な森林経営 > 適地適木 適施業
経営基盤 = 森林 林業は蓄積依存
生産 ⇔ 市場経済的経営(ヒト、モノ、カネ)
4,変化 目標は変化する
森林の変化 森林への理解度は常に不十分 自然自体が変化する
需要変化(例カラマツ)
杭丸太・電柱>集成材>合板/LVL>内外装>家具木工>?
経営環境の変化 世界市場 景気 行政施策 世代 価値観 etc
5,目標林型と施業
林型 生産基盤としての森林のカタチ
一斉林(伐採 ~ 更新(植栽)~ 保育 ~ 主伐)
多層林 混交林 択伐林 恒続林
施業 生産システム ○○設計・・・
人(林業技術者) → 森林 = 森林の生物(樹木ほか)
ヒト = 林縁の生物