林業を仕事にしているのだから、いつかどこかで初めて木を伐った瞬間があったはずなのだけれど。

どこか、ということで言えば、ゴルフ場の建設現場だけれど、それがいつだったのか、どんな木だったのか、本当に残念なことだけれど、覚えていない。

重機はダメだから、伐採をやれと言われ、ベテランの手番として藪刈り、枝払い、玉切りと、一連の事をやっているうちに、いつのまにか伐採もしていた。

見様見真似で受け口、遠い口と切っていたに違いないのだが、その最初がどうだったのか、確認もできないほどに、余裕の無い精一杯の現場の日々だった。

林業をやめるための伐採現場からはじまった私の林業人生は、田舎で食べていくための仕事であり、とにかく生業として成り立たせることからはじまったので、そういう意味での節目とかが無い。

初心者への伐採指導をするようにもなったけれど、どこかそういう節目の無さを、いまだに引きずっているような気がしている。

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