正確な伐倒と全幹集材

となりでふつうの間伐作業にはいった山で、住宅に隣接したカラマツ4本は、支障木伐採として伐った。とは言っても、3本目までは矢(クサビ)だけで「寝せる」(この地域での山師の言葉では、伐倒することを「寝せる」と言う)

2本目の木では、根元近くに残したい木が2本もあって、クサビを打ち込む斧が思い切りふるえない。伐倒のクサビは二本使うのが原則。残したいサクラとホオのために、無理な角度で打ち込んだためかクサビが一本折れてしまった。予備のクサビを取りに行く間に、腹痛が。途中でやめられないのでそのまま続ける。身体の芯の力がちょっと入らない状態になっていた、おかげで最後のツルの調整が甘く、伐倒位置が50cmほどズレてしまった。

伐る瞬間には身体と木が一体になるくらいの、同期感覚が必要で、それがわずかでも狂うだけで、倒れる方向が狂うことがある。

トイレに行って休憩した後に3本目。くやしいので本当のギリギリピンポイントを狙う。今度は成功。ナラの稚樹を一本救えた。

4本目は傾きが大きかったのでチルホールで。

今日のもうひとつの課題は全幹集材。枝払いをしただけの、カラマツをまるごと引きだし、旋回と走行を組み合わせて、約50m先に並べるまでをやってみた。

これがうまくできれば、またひとつ仕事の幅がひろがる。

大型の機械のように、持ち上げて振り回すことなどできない。力不足だし、万一高く持ち上がっても、ひっくり返る危険がある。なめらかに引きずるように、これまたギリギリのコースどりで、まるごと一本のカラマツをあつかう。うまい具合に、ルートギリギリのところに軽トラックが一台。もちろんかすることもなかったが、持ち主はちょっと心配していた様子。

15度程度の下げ荷で、胸高直径40cm樹高20mほどのカラマツを、残存木をいためずに全幹で出せる見込みができた。ただし、谷側に充分な空きスペースがあることが条件。

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