道具は使いよう †今日、急にたのまれた、家の増築工事のための伐採、チルホールがボロの0.5tのものしか用意できない。
普段仕事用には0.7tのものを使っている。0.5t用のものは価格が安くて小型で軽いのが良いところだが、はっきり言ってホビー仕様というか、その上のクラスのものとは出来が違うのだ。
だがかつてはこれだけでずいぶんと難しい伐採もやってきた。だから使えないことは無いだろう。念のため滑車をひとつ、スリングを余計に持っていった。これが正解。
片枝で大きく屋根の上に傾いたアカマツを思いっきり起こして、太い枝のアカマツ2本の間をぬいての伐倒、このチルではちょっと不安なところだが、滑車をかませてダブルで引けば大丈夫だ。ただし、ワイヤの長さが足りない。そこはスリングをつないでなんとかすればいい。
というわけで、無事に狙いどおりにアカマツは倒れた。壊れそうな道具だったが、無理をかけなければまだ使えた。しかし、もうこれを仕事に使うのはやめるべきだろう。同じ0.5tでも新品を買うべき。
薪にしたいということだったので1mに玉切る。もう一方のコナラは小さい木だったので問題なし。
ところが工事のために抜根しようとしても簡単には動かない。小さな重機しか入れない現場で工事屋さんは大変に苦労していた。ナラの根は強く深いのだ。
本当ならもう何本か切った方が安心して暮らせるのだが、ここは私が直接請けた現場ではないので、とりあえず頼まれ分だけ伐って今日は撤収。
午後は重機での集材と道づくり。5tのミニバックでどこまでできるか、限界ギリギリの大きな石を動かす。そうしないと最短距離で道ができない。残した広葉樹の傷を最小限にしたいので、このルートをどうしても通りたかった。まぁ機械の練習も兼ねているのでやってみたわけだ、効率最優先ならこんなところはあきらめてワイヤーで引くべきなのだが。
まさに限界の重さの石、掘って持ち上げることなどできない。斜面下方向へ転がすのがやっと、それでは道を塞いでしまう。こまったと思いながらも石をよくよく眺める。引きずっているうちに、梃子の要領で立てることができそうだと判断、やってみたらうまくたった。あとはそれを反対側に倒すだけ。
なるほど小さな重機も使いようじゃないか・、こっちは新車だ。とにかく機械の能力の限界というものは早く知っておいた方が良い。限られた力をどうやって活かすか。人間ならば限界を超える働きをするかもしれないが、機械はあくまでそこまでのことしかできないのだから。
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